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部落解放同盟ガイド

部落解放同盟行動指針

(2009年3月4日 部落解放同盟第66回全国大会採択)

 部落解放同盟は、日本社会における部落差別の撤廃を基軸とした取り組みを通して、あらゆる差別の撤廃をめざしながら、国内外の人権・平和・環境を中心とした社会正義を追求する運動体である。
  これらのとりくみを推進し所期の目的を実現していくためには、部落解放同盟自らが、全国水平社以来の輝かしい伝統を正しく継承するとともに、今日の民主的な社会的ルールや法令に基づいて公正で透明性のある運動や組織運営を確立し、同盟員はもとより未組織の部落大衆や社会全体から信頼される存在でなければならない。
  私たちは、2006年の「一連の不祥事」に対する痛苦な反省にもとづき、これまでの部落解放運動の成果と問題を踏まえながら、以下の『部落解放同盟行動指針』に則り、日本における反差別・人権運動の中心的な役割を担うに足る社会的責任を実直に果たしていく運動と組織を構築していくことをめざす。

 〔運動の理念と解放思想〕
  1.私たちは、「人間を尊敬することによって自らを解放せんとする集団運動」であることを自覚し、部落解放同盟の綱領・規約にもとづき、人間の豊かなつながりをつくりだすことによる社会的な排除・忌避・孤立の克服を通じて、差別のない社会の実現をめざす自主的な部落解放運動の担い手としての責任と役割を果たす。

 〔共感と信頼を生む活動スタイルの基本〕
  1.私たちは、伝統や組織の力に驕ることなく権力的志向を戒め、徹底して部落内外の困難を抱えた人の立場に立ちきりながら問題解決のために共に歩む姿勢を堅持し、地域社会での世話役活動を基本的な活動スタイルとして展開することによって、マイノリティの人たちや地域住民の共感と社会的信頼をかちとる運動を創り出す。      

 〔民主的組織運営と社会的責任〕
  1.私たちは、今日の民主的な社会的ルールや法令、自らの規約・規程に基づき、意思決定やあらゆる場における男女平等の原則や民主的プロセスの重視、自主財源を基本にした適正な会計・財政の運営、誠意と熱意に溢れる事務局の合理的運営、信頼と経営感覚に裏付けられたNGO活動や公益性をもった社会的企業の展開など、情報公開や説明責任に応えうる公正で透明性のある組織運営を行う。 

 〔糾弾闘争の必要性と基本〕
  1.私たちは、政治・経済・社会・文化・情報などのあらゆる領域における社会的排除や忌避を許さず、公正な社会参加と対等な人間的つながりをつくり出す社会的責任を具体的に実践していく運動を推進し、諸差別の複合性に着目して差別・被差別の双方の桎梏を乗り越えるために、差別糾弾闘争を社会性・説得性・公開性の原則のもとに社会変革と人間変革への教育的深慮をもって展開する。

 〔協働の地域力による新たな共同体の創出〕
1.私たちは、部落内外を横断する地域就労支援運動や地域教育運動、地域福祉運動などの具体的実践のもとに、自助・共助・公助の姿勢を共有する「地域の力」によって、人間を尊敬することを大事にする新たな地域共同体を創出し、誰もが安心・安全に暮らせて未来に希望を持って生きていくことができる日本社会の実現にむけて奮闘する。 

 〔社会的貢献活動〕
1.私たちは、部落問題解決の仕組みを困難を抱えたあらゆる人の問題解決への仕組みとして協働化・普遍化していく運動の基本姿勢を貫き、人権の法制度確立や人権のまちづくり運動の取り組み、また反差別国際連帯の活動を通して、人権・平和・環境などにかかわって世界に通じる社会的貢献活動に取り組む。

 

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