「解放新聞」(2024.09.15-3113)
(前号「<福井>認識もち施策の推進を〜福井市と意見交換」のつづき)
福井県連と福井市との意見交換会(8月21日・福井市)で、同盟側から啓発事業については、予算増額で施策をさらに充実すべきだとの意見が出された。また、市民人権意識調査では、設問項目が少ないため、22年に県が実施した県民意識調査結果(福井地区分)もふまえて今後の施策を推進するとの回答にたいして、結婚問題についての調査結果で「結婚しない」との割合が増えていることから、部落問題の正しい理解につながる市民啓発手法の研究、若い世代へのアプローチが必要、との強い指摘があった。
市からは、若い世代への啓発の必要性は認識している、福井大学と協力して当事者の話を聞くワークショップなどを企画して実施するなどの回答があった。また、前回の話し合いをふまえた、「福井市人権教育・啓発方針」の変更点についての説明があり、インターネット上の部落差別情報対策では、モニタリングを実施し、県とも連携してすすめていることや、人権条例に関して、「福井市総合計画」のなかに人権課題を位置づけているとの回答があり、同盟側から、人権条例は人権に関わる市としての姿勢を明確にするものであり、早急に制定に向けた検討をすすめてもらいたいと強く要請した。
そのほか、差別情報へのとりくみでは、「情プラ法」を活用して、法務局への連絡だけでなく、行政が直接、削除要請すべきだとの意見や、土地差別問い合わせがあった場合の対応についても指摘があった。
まとめでは、山下委員長と河合書記長が「部落問題を解決していく市の積極的な姿勢、本気度を示してもらいたい。市民啓発の手法なども工夫する必要があるのではないか」と提起。髙橋中執も「市民啓発のためにも、人権条例の必要性、重要性をしっかりと理解して、あらためて検討をしてもらいたい」と要請した。
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