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部落解放・人権政策確立に向け、参議院選挙闘争に全力を

「解放新聞」(2016.06.20-2767)

 国会が閉会し、いよいよ参議院選挙の6月22日公示、7月10日投開票の選挙日程が確定した。今回の参議院選挙は、衆議院選挙との同日選挙も予想され、安倍首相は、参議院で改憲に必要な3分の2以上の議席確保をめざしていた。これは、衆議院の290以上の議席をいくらか減らしてでも、参議院での改憲議席を確保するという、憲法改悪に向けた安倍首相の野望が背景にあったといえる。
  こうした衆参同日選を想定すること自体、熊本・大分を中心にした九州大地震で大きな被害を受けた被災者よりも、権力の維持と、憲法改悪というみずからの政治信条を優先させる安倍政権の本質を露呈したものでもあった。しかし、アベノミクスの失敗による経済の低迷で、消費税率10%の再増税断念の判断をせざるを得ないなかで、憲法改悪を参議院選挙の争点からあえて外している。今参議院選挙では、前回の14年12月に強行された衆議院総選挙で圧勝したときのように、アベノミクスを全面に打ち出し、デフレ脱却のためには、「この道しかない」などとしている。しかも、来年4月に予定していた消費税率10%の再増税を19年10月まで2年半の先送りを、世界経済の危機によるものとした。
  安倍首相は伊勢志摩サミットで、各国の首脳を相手に世界経済の危機的状態を説明し、リーマンショック前という言動を執拗にくり返した。しかし、どの首脳からも賛同は得られず、何の合意もされないままサミットは閉幕した。
  そもそも社会保障費の充実を増税で可能にするという政治手法に大きな問題がある。みずから公約としてきた消費税増税を延期したことは、増税できる経済成長を実現できなかったことの表明である。しかし、アベノミクス失敗への反省もない。「新しい判断」という詭弁で、格差と貧困をさらに深刻化させるアベノミクスをさらにすすめようとする安倍政権を許してはな
らない。

 今回の参議院選挙で、安倍首相は経済成長に向けたアベノミクスを加速させるとしている。しかし、アベノミクスは、第2次安倍政権発足直後こそ、株価の高騰と円安によって、好景気を演出していたが、その効果も薄れている。実体経済は冷え込み、富の再配分を不要とする新自由主義政策によって、格差がさらに拡大し、貧困問題が深刻化している。安倍政権のもとで、生活保護世帯は163万世帯以上となり、過去最多となっている。
  安倍政権の「1億総活躍プラン」では、「誰もが活躍できる全員参加型社会」を創造するとしているが、実際には個人消費は2年連続でマイナスとなっている。しかも、長時間労働での残業代ゼロや、生涯派遣という非正規労働者の増大などの労働法制の改悪、実質賃金の5年連続マイナスなど、アベノミクスが市民生活を破壊しているなかで、いったい誰が活躍できる というのか。
  安倍首相は「アベノミクスを加速するのか、後戻りするのか」を、今回の参議院選挙の争点として強調している。これまで、経済政策を全面に訴えた選挙によって議席を獲得してきたのが安倍政権だ。しかし、選挙後に安倍政権は「全権委任」とばかりに、「戦争をする国」づくりをすすめてきた。
  歴代の自民党内閣でさえ否定してきた集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行し、さらに、この閣議決定をもとに、全国的な大きな反対運動にもかかわらず、憲法違反の「戦争法」を成立させてきた。「戦争法」の発動によって、自衛隊は米国などの同盟国とともに、海外に派兵され、「殺し、殺される」戦争行為に加担させられる。しかも、海外派兵の根拠は「特定秘密保護法」によって、国会でさえ検証されることはない。今回の参議院選挙では、自民党は選挙公約である政策資料の最後に「憲法改正を目指します」としている。しかし、これまでの安倍政権の政治手法をみれば、選挙後にかならずや憲法改悪に向けた動きを加速する。
  今回の参議院選挙は、「戦争法」強行成立後に実施される初めての国政選挙だ。「戦争法」成立後も粘り強く闘い続けてきた戦争と差別に反対するとりくみの力を総結集し、安倍政権を打倒しよう。

 今回の参議院選挙では、安倍政権の暴走との対決姿勢を鮮明にするために、選挙区での1人区のすべてで野党共闘が生まれた。この全国の32選挙区では、与野党候補が対決する。
  憲法違反の「戦争法」を成立させた安倍政権は、憲法が権力を縛るためのものであることを明確にした立憲主義を否定している。立憲主義とは、憲法の枠組みに反する政治をすすめてはならないということだ。これ以上、安倍政権の反人権主義、国権主義の政治を許してはならない。
  さきの沖縄県議選では、沖縄新基地建設に反対する翁長県知事を支持する与党が議席を伸ばし、過半数を獲得した。辺野古新基地建設反対こそが民意だ。しかし、安倍政権はあくまでも辺野古に新基地を建設するという姿勢を変えていない。沖縄の基地問題は、沖縄だけの問題ではない。軍事大国化をめざす安倍政権を許さないためにも、参議院選挙闘争に勝利しよう。
  今回の参議院選挙の比例区では、部落解放中央共闘会議加盟単産の候補を中心に推薦し、支援の地域割りも決めている。えさきたかし(自治労)、なたにや正義(日教組)、石橋みちひろ(情報労連)、なんば奨二(JP労組)、森屋たかし(私鉄総連)、吉田ただとも(社民党党首)、福島みずほ(社民党副党首)の各比例区候補の必勝に向けて全力をあげよう。
  この間、鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版発行・販売事件や差別文書大量ばらまき事件、さらにヘイトスピーチに象徴される差別排外主義の台頭など、きわめて悪質な差別事件、人権侵害が続発している。今国会では、「ヘイトスピーチ規制法」が成立したが、「部落差別解消推進法」は継続審議となった。厳しい政治情況のもとでも、部落解放・人権政策確立に向けた課題にとりくみ、人権問題、差別問題の解決をめざして、全国的な運動を展開してきた。
  7月の参議院選挙は、まさに差別と戦争に反対する闘いだ。政治の変革を実現するために、支部・地区協議会・都府県連の総力を結集し、比例区、選挙区の推薦候補必勝のために奮闘しよう。


 

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