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返還請求にとまどい
大阪奨学金裁判 当時の奨学生が訴え
「解放新聞」(2016.08.15-2775)
 【大阪支局】大阪市の奨学金裁判の第13回口頭弁論が7月1日、大阪地裁でひらかれ、市内ブロック各支部を中心に30人をこえる参加があった。この裁判は「返還免除」として「解放奨学金」を給付してきた大阪市が突然、当時の奨学生にたいして、さかのぼって返還を求めたもので、異議を申し立てた奨学生(当時)4人も参加した。
  大阪市は当時、奨学金を受給する条件として人材養成奨励事業を導入し、奨学生は講座などに参加し、レポートを提出することで免除とされてきた。意見陳述で奨学生は「人材養成奨励事業のもと生まれ育った地域の歴史を学び、レポートを提出し真撃にとりくむことで奨学金は実質的給付と理解していた。突然大阪市から80万円の返還請求が届きとまどっている。いまは結婚し、子どもを持ち社会の一員として働き生活している。家族の人生を左右する問題」などと訴えた。
  弁護士会館でひらかれた報告集会では、桜井健雄・弁護士、康由美・弁護士の2人が報告。大阪市が「奨学金は貸与であり人材養成事業は市同促が勝手にやったこと」としているが、大阪市の関与は明らか。
  また、大阪市が提出した書証で示した京都市の奨学金裁判の判決についても、京都市と大阪市の誓約書の内容がちがっていることを明らかにした。大阪市の「大阪市高等学校等奨学金誓約書」には「進学を奨励し、教育の機会均等と将来地域および社会に広く責献しうる優秀な人材を育成する」本制度の意義を認識し勉学に励み、卒業後においてもその趣旨にそうよう努力するなどと書かれてあり、奨学金の返済を誓約するとは書かれていない。有意な人材となるために努力することが書かれており、奨学生は有意な人材になるべく努力することで「実質的給付制」であると認識していた。選考委員会には大阪市も入り、決められていた。
  法失効後も選考会をひらき、免除決定をしてきた大阪市は、司法判断もあおがず要領が遵法であると一方的に判断し、なんらの対策をとらずに放置していたものを、時効間際になって突然、奨学金の元本金額に遅延の利息をつけ一括返済を迫り訴訟にいたった。
  奨学生だった4人は「被告席から傍聴席を見渡すと多くの支援者で傍聴席が埋まり心強い。これからも支援を」「弱い立場の人間が不自由にさせられることがないように、権力に屈することなく闘い続けていきたい」などとのべた。
  次回の第14回口頭弁論は9月13日午前10時から大阪地裁でひらかれる。

 

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