pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
調査行為は差別
「部落かどうか聞けるものなら」
部落所在地調査差別事件で

第3回確認会
「解放新聞」(2006.10.02-2288)
 【長野支局】「聞くだけなら差別になると思わなかった」と、佐久市・旧望月町での部落所在地調査事件(本紙2245号、2282号既報)の第3回確認会を6月29日、佐久市中央隣保館でひらき、最終的に調査行為は差別であったことが確認され、今後は糾弾学習会をとおして差別事件の課題を明らかにしていく。

認識が甘かった

 第3回確認会には、差別調査をした佐久市S不動産会社(不動産鑑定業務)のB代表とA社員、佐久市行政から鬼久保長治・民生部長ら6人、部落解放同盟からは星沢重幸・県連副委員長、山崎茂・県連書記長、山浦励一・佐久地区協議長ら22人が参加した。
 確認会では、第1回、第2回確認会の内容が報告され、A社員とB代表への佐久市行政の対応として、部落差別についての冊子や解放新聞などで学習してきたことなどが報告された。
 B代表は、確認会のはじめに「認識が甘く、関係者に迷惑をかけた。市から図書をいただき学習し、社会的道徳的に許されないことだと理解し、恥ずかしく思う、誠心誠意応えたい」と語った。
 またB代表は、調査の背景を「民生委員になり人権同和教育で現地学習ということで、その現地が部落だと聞き、それなら部落かどうかを聞けるものならと考えた」と話し、「評価物件が部落らしいということを、物件を所有している方が一方的に言い、憶測だが「だから売れない」ととれた」「そうしたことからA社員に役場で聞いて来いと調査させた」と答弁し、さらに、その時「人権問題という認識はあったが、それが差別だという認識はなかった」と話した。
 また、A社員も「聞くだけなら差別になると思わなかった」と答弁した。
 調査行為の反社会的重大性の認識は、当時まったくなかったことがわかり、さらに不動産鑑定士協会で部落問題研修を受けたことがないことも明らかになった。
 確認会では、最終的に「評価上、部落であるかどうかを調査するという行為は差別である」ということが確認され、今後、糾弾学習会をおこないながら、この差別事件の課題を明らかにしていくことになった。

事件の概要
 事件は、05年3月、旧望月町役場の人権推進室(当時)の窓口に、佐久市のS不動産会社のA社員が、望月町内の住宅地図のコピーを示し、「「部落」「同和」地区を地図上で示してほしい」と求めたもの。
 対応した職員が、「なぜ必要なのか」と問うと、「表面上は示さないが、競売の情報として必要」と答えた。
 役場から、部落解放同盟佐久地協や法務局に報告され、事件が明らかになった。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)