全国の被差別部落の所在地なぜを記載した「部落地名総鑑」のデータを電子化した「電子版・部落地名総鑑」を大阪市内の複数の調査業関係者から9月末、部落解放同盟大阪府連が回収した。
第8、第9のデータがフロッピーに
ネットにのれば部落差別野放しに
回収した「電子版・部落地名総鑑」は2種類。第8、第9の「部落地名総鑑」がフロッピーディスクに保存されていた。
電子化・デジタル化されたデータは、劣化することなく無限に、安価に、短時間にコピーすることができ、インターネット上に流出すれば回収は不可能であり、だれでもデータを活用することができる。これまで一部の悪質な調査業者のみがおこなっていた身元調査のカギが世界中にバラまかれることとなり、部落差別調査が事実上の野放し状態になる恐れさえある。
これまでも調査業者のなかで、「電子版・部落地名総鑑」の存在を示唆する証言はあったが、現物を回収・確認したのは今回が初めて。
2種類の「電子版・部落地名総鑑」はフロッピーディスクのタイプなどから考えて、1990年代半ばあたりに入力されたものと思われる。
第8の「部落地名総鑑」のデータはュ6枚のフロッピーディスクに分かれてほぼ完全なデータが納められている。東芝製のワープロ専用機「ルポ」の形式で記録されており、全国の被差別部落の地名、住所、世帯数などのほか、「被差別部落の調べ方」として具体的な調査方法が7項目にわたって記載されている。
第9の「部落地名総鑑」のデータはこれまでに20枚のフロッピーディスクを回収。ラベルに書き込まれている番号が28まであることから、データは少なくとも28枚以上あるうちの20枚と思われる。ラベルには番号のほかに「解説、京都」「大阪府 大阪市」「兵庫、和歌山、奈良」などの都道府県名が手書きで書かれている。こちらはリコー社製のワープロ専用機「リポート」の形式で記録されている。
「ルポ」「リポート」とも入力されたデータは容易にパソコンに転用可能となっており、1990年代半ば以降爆発的に普及したパソコン用のデータとして転用され、調査業界に広がっている可能性がきわめて高い。(関連
2220号、
2257号、2264号)
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