テレビ朝日系列で05年1月に放送された「サンデープロジェクト」で「食肉のドン50億円の犯罪――政・官・財利権構造」と題してハンナングループの代表をとりあげた番組の冒頭での部落差別発言事件について2月16日、東京・中央本部で、おもな発言者の田原総一朗さん、高野孟さんが出席し、取材にあたった大谷昭宏さんと、制作したテレビ朝日、朝日放送関係者も同席して話しあいをおこなった。
田原総一朗さん、高野孟さんが
田原さんは、部落問題をとりあげないマスコミの「タブー意識」を批判するつもりでとりあげ、発言したものが、ことばが足りずに逆に被差別部落に打撃を与えるものになった、責任を感じていると反省。
高野さんも、軽はずみでことば足らずとあらためて見解を話し、謝罪した。
「サンデープロジェクト」では翌週の放送の冒頭で謝罪、以後、テレビ朝日、朝日放送、田原さん、高野さんはじめ関係者と話しあいを重ね(2208号、
2211号、2213号、2214号、
2223号、
2250号既報)、制作したテレビ朝日、朝日放送からは05年12月7日にもった糾弾会で、部落解放同盟の指摘をふまえた今後の決意などが示されていた。
部落解放同盟からは、組坂委員長、岸田・大野副委員長、松岡書記長はじめ中執委構成役員13人が参加。冒頭、組坂委員長があいさつし、この場ができて大変よかった。お互いに人権感覚はみがいてないとサビついてしまう。日本のテレビ界、言論界をリードする立場の人の発言は一言一言が大きな影響をもつ。胸きんをひらき大きな一歩をとよびかけた。
話しあいでは、放送冒頭の発言内容を確認。発言の意図や受けとめ方、受けとめられ方などで意見交換、大谷さんも、2人は部落問題をもっとも理解しているのに残念な結果になった。番組で1回おわびしてもどれだけ伝わったかなと反省している。組坂委員長の指摘した、人権感覚をとぎすます必要があるということはお互い確認したいと応じた。
部落解放同盟からは新たに発見・回収した「部落地名総鑑」や、その電子版、インターネットでの差別事件、連続大量差別ハガキ事件などの差別事件を説明、識字のとりくみなども紹介した。
松岡書記長は、日本の法体系では、被害者個人が特定されてはじめて人権侵害と認定され、属性のある集団には認められていないことも指摘▽今後ますますメディアの社会に与える影響は大きくなり、注目している。マスコミのなかにあるタブーの背景には差別があり、なぜ存在するかの掘り下げをと提起▽これで終わりでなく、これから始まる▽一連の不祥事については大会で議論し発信していくとまとめ、北口人権対策部長も、立場を尊重しあい、緊張関係をもち、努力したい、と結んだ。
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