「他の人もやっている」
差別サイト第2回公判
被告人が犯行理由に
差別ウェブサイト事件の第2回公判で、被告人Aは弁護人の質問に「他の人たちもやっており、自分の感じたことを書いた。(おちゃらけた)表現はあたりまえで、大きなことになるとは考えなかった。(差別意識は)まったくなく、(公開することで差別意識を助長するとは)考えませんでした。(反響として)地区の歴史や場所を書きこんでくれたり、すごい。よく地区へはいった」などがあったと答えた。
また、当時無職だったことについても「世の中に出るのがこわく、2年くらいパソコンでネットやゲームをしていて(ホームページをつくったときは)充実感があった」。2度としませんかとの質問には、「絶対しません」と答えた。
検察官の質問には、「人の心を傷つけた」と反省していることを表明するものの、まわりから影響をうけたもので差別意識はなかったことを強調した。
被害者の意見陳述では、「部落地名総鑑」よりひどい内容で、「捕まったら肉骨粉にされてしまうぞ」と被害会社が殺人工場であるかのような記述までおこない、会社の信用・社会的評価をいちじるしく低下させたことを示し、さいごに、被告人に心の底からの反省を求めた。
検察官は論告求刑で、犯行の態様は悪質であり、卑劣かつ卑きょうで、いたずらに差別をあおる記述であり、差別助長再発予防への必要性は高く、差別された人の心の痛みを勘案し、懲役1年に処するのが相当、とのべた。
弁護人は、こうした書きこみはインターネット上にはん濫しており、本人も鈍麻しており、写真掲載などはそこへ行ってきたことを示すためで、問題になるとは思わなかった、きわめて単純かつ幼稚なもので差別意識にもとづいたものでないことを主張、十分に反省しているとし、執行猶予付判決をと求めた。
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