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袴田無罪を教訓に〜狭山再審と[再審法」改正を
静岡

「解放新聞」(2024.10.15-3116)

再審無罪判決をかちとり、静岡地裁前で笑顔を見せる袴田ひで子さん(9月26日・静岡市)

再審無罪判決をかちとり、静岡地裁前で笑顔を見せる袴田ひで子さん(9月26日・静岡市)

 【静岡】 袴田事件で9月26日午後、静岡市内の静岡地裁(國井恒志(こうし)・裁判長)は、捜査機関による三つの証拠ねつ造を認め、袴田巖さんに再審無罪判決を言い渡した。検察は10月8日、控訴を断念し、無罪判決が確定した。袴田さんの尊厳を58年間も奪い苦しめた、えん罪の構図は、狭山事件と共通している。無罪判決を教訓に、狭山事件の事実調べ―再審と「再審法」改正を実現しよう(「<主張>袴田再審無罪を好機に狭山全国統一行動を」ほか、「中央本部声明」など関連記事を掲載)。

 袴田事件は1966年、静岡県清水市(現・静岡市)の味噌製造会社専務宅で4人が殺された事件。検察は当初、「自白」をもとに犯行時の着衣はパジャマだとしていた。しかし、有罪の立証に行き詰まるなか、67年8月末、突然、血痕の付いた衣類(ズボン、スポーツシャツ、半袖シャツ、ステテコ、ブリーフ)を味噌タンクから従業員が発見したとし、検察は犯行衣類を「5点の衣類」に変更。このうちズボンについて、裾直しで切り取る端切れ(共布(ともぬの))の一つを袴田さんの実家を家宅捜査して押収したとし、有罪の証拠とした。

 静岡地裁は今回、「自白」「5点の衣類」「端切れ」をねつ造と断定。▽自白の検察官調書は捜査機関による実質的ねつ造▽衣類は捜査機関が血痕を付けるなど加工しタンクに入れた▽端切れは捜査機関が実家に持ち込んでから押収した、とし、公訴事実には「犯罪の証明がない」として無罪を言い渡した。

 当日は真夏日。狭山事件の石川一雄さん、石川早智子さんをはじめ多くのえん罪被害者・支援者も静岡地裁にかけつけて見守った。

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