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部落問題資料室
NEWS & 主張
「愚劣であり陰湿」と断じ
懲役1年執行猶予4年に
「解放新聞」(2007.10.29-2342)

 差別ウェブサイト「B地区へようこそ.in愛知」で、愛知県と岐阜県、三重県にまたがる被差別部落の写真や地図、動画を掲載し、恐怖と差別を煽る事件(2313232823382340号既報)の判決公判が。10月15日、名古屋地裁(刑事部第3部森嶋聡・裁判長)でひらかれ、被告に「懲役1年、執行猶予4年」の判決がだされた。

差別ウェブサイト事件で判決

 前回の第2回公判では検察が「差別を煽る記述であり、差別助長再発予防への必要性は高く、差別された人の心の痛みを勘案し、懲役1年に処するのが相当」と論告求刑していた。森鳴裁判長は判決理由で、犯罪手口は「未熟で浅はか」で、その行為は「愚劣であり陰湿」と断じた。
  判決後、桜華会館での集会では、法的課題や経過も報告され、吉田勝夫・愛知県連委員長は、「厳しい判決だと思うが、名誉毀損でしか裁けなかったことが口惜しい。人種差別撤廃条約の第4条を政府は留保しているが、ここでは差別は犯罪と規定している。なぜ、このような事件になったかが解明されていないし、判決でもふれられていない。目に見えない被害だけが残ってしまい、プロバイダの責任を明らかにする必要がある」と課題を示した。
  判決公判には、愛知県連と三重、岐阜両県連の代表など60人が傍聴席を埋めた。
  愛知県連では、この判決内容を精査し、声明をとりまとめるとともに、再発防止へのとりくみに資したいとしている。これまで、差別ウェブサイトの削除を名古屋法務局に申しいれる一方、名指しされた企業への名誉毀損事件として、3月14日に愛知県警に告訴、7月5日に犯人が逮捕され起訴、2回の公判をへて、この日の判決となった。

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